
2025.10.03 コラム リヴォルノ名物「5 e 5」——港町の味と記憶
Buongiorno a tutti!Come state?
皆さんこんにちは!お元気ですか?
本日はリヴォルノのストリートフード「5 e 5」をご紹介いたします!
トスカーナ州の港町リヴォルノは、古くから多様な文化が交差する場所でした。海を通じて多くの人々と物が行き交い、その交流のなかで生まれたのが市民に愛される名物料理「5 e 5(チンクエ・エ・チンクエ)」です。
この不思議な名前の由来は、20世紀初頭にさかのぼります。当時の庶民が街角の屋台で買った定番メニューが、パン5セント分と、ひよこ豆粉を水・塩・オリーブオイルと混ぜて窯で焼いた「チェチーナ」5セント分。つまり「5+5」で「5 e 5」と呼ばれるようになったのです!
今では値段とは関係なく、そのまま料理の名前として定着しています。
作り方は極めてシンプル。
大きな銅製の丸いトレイに流し込まれたチェチーナは、高温のオーブンで焼かれ、表面は香ばしく、中はとろりとした食感に仕上がります。これをふかふかのパンに挟んで食べるのが伝統的なスタイル。リヴォルノっ子は好みに応じて黒胡椒をたっぷり振ったり、焼きナスやマリネ野菜を一緒に挟んで楽しみます。
「5 e 5」は単なる軽食ではありません。仕事の合間にサッと食べられる庶民のエネルギー源であり、港町の労働者階級の暮らしと強く結びついてきました。その素朴な味わいには、リヴォルノの人々の気取らない気質と、多文化が融合する土地柄が映し出されています。
現代では、観光客にとっても人気のご当地グルメとなり、街のパン屋やバールで気軽に注文できます。しかしリヴォルノの人々にとって「5 e 5」は、ただの名物ではなく“日常の味”。友人と分け合った学生時代の思い出や、祖父母と一緒に食べた懐かしい時間を呼び覚ます、まさに「ふるさとの象徴」なのです。
シンプルでいて奥深い「5 e 5」。それは港町リヴォルノの歴史と暮らしを今に伝える、食べられる文化遺産と言ってもいいのではないでしょうか?
是非リヴォルノに訪れた際には是非食べてみてくださいね!
それでは次のコラムまでアドマーニ!
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