
2025.05.05 コラム パルマの画家コレッジョの、超大作が見たい!
皆さんはパルマへ行ったことはありますか?または、これから行く予定はありますか?
今日はパルマで見ることのできる名画をご紹介します。パルマの魅力、美食だけじゃないですよ~!?
パルマの大聖堂、もしその中を見学する機会があったらぜひ中央のクーポラを見上げてみてください。
絶対びっくりするはずですよ…?
と、いうのも、そこにはおびただしいほどの人!人!人!…というより、足!足!!足!!!実際に下から天を見上げるような構図で描かれているためです。
《聖母被昇天》 アントニオ・アッレグリ・ダ・コレッジョ1526-1530年 パルマ大聖堂
この天井画のテーマは「聖母被昇天」。聖母マリアが天使たちに連れられて昇天していく様を描いたものです。このたくさんの足の持ち主は天使達、それから、両手を広げて仁王立ちでたくましく上昇していくのは聖母マリア、そして中央に天から聖母マリアを迎えに降りるイエス・キリスト…ということですね。
聖母マリアの亡くなった後を描いたテーマですが、この天井画は、悲壮感漂うものではなく、逆にすさまじいまでの生命力にあふれていると思いませんか?
描いたのはパルマ出身の画家、コレッジョです。この方、大変内気で真面目な性格だったと伝えられています(それにしては大胆な構図ですが…!)。
野心を持って大都市に出ていく…と、いうようなタイプではなかったようで、たぐいまれな才能を持ちながらも地元をほとんど出ることはなく創作活動を行っていました。なのでパルマ近郊にはコレッジョの作品がたくさん残されています。今となってはそのご当地感が貴重さを増していて、いいですよね~。
コレッジョは、この絵を描くのに先輩画家マンテーニャの作品から学んだ「短縮法」の技法をふんだんに使いました。短縮法とは物体を観察者に向かって突き出しているように描き、実際より短く圧縮して見せる遠近法の技法です。
それからもうひとり、レオナルド・ダ・ヴインチから学んだ「空気遠近法」も。空気遠近法は遠景を柔らかく、霞んだ感じに描くことで、画面に奥行きや広がりを持たせる技法です。当時においては最先端のこれらの技法。それを研究して自分の絵に取り入れたのがコレッジョです。なるほどそれでこんなにリアルに天井が抜けているかのように見えるんですね…!
それにしても、この規模で描くとは…。2025年の私たちが見ても驚くほどの迫力です。当時の人は卒倒しそうになったのではないでしょうか。諸先輩方から学んだ技法を完全に「自分のものにした」からこそのこの表現なのでしょう。内気で真面目なコレッジョですからね。それはそれは真面目に先輩方の絵を研究して練習したんでしょうね…!できあがった作品は真面目を突き抜けていっそ破天荒ですらあります!
もしパルマへ行くことがあったら、ぜひコレッジョの作品に注目してみてくださいね!目を見張ること間違いなしですよ!
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