
2025.08.20 コラム カチョカヴァッロ……カチョって何??なぜ馬(カヴァッロ)!?
Ciao a tutti!
突然ですが、カチョカヴァッロ(Caciocavallo)というチーズをご存じですか?
近年では日本でもいろいろな牧場で作っていますし、イタリアから輸入されたものを食べる機会も増えましたよね。
カチョカヴァッロはひょうたんのような形をしたチーズで、塩気は控えめ、ミルクの味わいを感じることのできる絶品チーズです。
モッツァレラと同じ、お湯の中で練る「パスタフィラータ製法」で作られますが、特徴的なのは形成後に紐で縛って吊るして長期熟成させるところ。ひょうたんのような形は、そういった工程によるものです。
スライスして弾力のある食感を楽しんでも良いですし、燻製にしたもの(アフミカータ)はお酒のおともにピッタリ!
更には、フライパンなどで焼いて溶かして食べると中はとろっと、外はカリッと仕上がりこれまた絶品です。
なぜ、突然カチョカヴァッロの魅力を語り出したのかというと……、6月末にイタリア料理店ペペロッソで開かれた「モリーゼ会」でこのチーズが出されたのがきっかけです。
風味豊かなチーズを味わいながら、「ところでカチョって何??」「なぜカヴァッロ(イタリア語で馬)?」など話題に上がったのです。
よし、これは調べてみると面白そうだぞ…ということで、調べてみました!
謎の言葉「カチョ Cacio」ってなんだ?
カチョとはずばり「チーズ」を指します。「Cacio e Pepe(チーズとコショウ)」なんてパスタもありますよね。主に南イタリアで日常的に使われる言葉です。
なるほど。カヴァッロはイタリア語で「馬」ですから「馬のチーズ」ということですね。
…ということは、馬のミルクを使っているのでしょうか…??
というと、答えはNo!カチョカヴァッロは今も昔も牛のミルクから作られます。(!!!)
なぜ「馬のチーズ」と呼ばれるのか?
実はこれ、はっきりとは分からず、所説あるようです。
有力なのは、「吊るして熟成させる製法に由来する」というもの。カチョカヴァッロは、二つのチーズを紐の両端に縛り、棒や梁に跨がせるようにして吊るして作ります。その「跨がせる」スタイルが馬の鞍に荷物を吊るしている様に似ているから「馬のチーズ」と呼ばれるようになった…といいます。
また、古い方言用法では「カヴァッロ(Cavallo)」は単純に馬ではなく、「横棒」や「跨ぐ形」そのもの意味しており、そこから来ているという説もあります。
更には、中世文献に、ビザンツ帝国や南イタリアで「cacio caballino」「cacio cavallo」と呼ばれたチーズの記録があります。かつて馬に乗って運搬したためにこう呼ばれた…ともいわれます。
なるほど。いずれにせよ、馬そのものによるものではなく、「吊るして熟成させる」または「吊るして運ばれた」ことに由来するということですね。
イタリアにはDOP認定されているチーズは55種類、地方の伝統製法や農家で作られているものなども含めると300種類以上のチーズがあると言われています。
いやはや奥が深すぎます。とてもじゃないけれどすべては覚えられませんが、ぜひお気に入りのチーズは「どこで」「どうやって」作られるのか調べてみましょう!
きっとイタリアでの食事がより楽しいものになりますよ♪
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